入札、提案、RFPでは「閲覧可だが容易に複製/改変されにくい」状態が求められます。本記事は実務フローを提示し、各手段の限界と併用方法を整理します。
「アンチコピー」を正しく理解する
- 開封パスワード:パスワードなしでは開けない。
- 権限制御(Owner/Permission):開けてもコピー/印刷/編集/ページ抽出を禁止可能。
- 透かし:ページ上に可視のマーク(社名/入札専用/社内限定など)を重ねる。
- フラット化:注釈/フォーム/レイヤーをページに固定し、簡易な改変を困難にする。
現実的な限界
権限制御はビューアの遵守に依存(主要ビューアは尊重)し、絶対的防御ではありません。「印刷禁止+広域透かし+フラット化」の併用で再配布のコストとトレーサビリティを大幅に高められます。
推奨フロー(状況に応じて調整)
- 権限とパスワードの設定
暗号化/権限制御 を開き:
- 必要に応じて開封パスワード(社内/限定配布時)
- 「コピー/印刷/編集/ページ抽出の禁止」を選択
- 透かしの追加(可視の抑止+追跡)
透かし追加:
- 文字透かし:社名/入札専用/社内限定/ID;斜め・半透明・広範囲
- 画像透かし:ロゴ/印章;不透明度と位置で本文可読性を確保
- フラット化(変更されやすい要素の固定)
フラット化:
- 注釈/フォーム/レイヤーを固定し、安易な削除/改変を抑止
- 重要なコメントは透かし化してからフラット化
- 互換性とアーカイブ(任意)
- 提出先がPDF/A必須なら PDF/A変換 を実施し検証
署名と保護の順序
変換/編集は既存の電子署名を無効化します。通常は「最終稿 → 暗号化/透かし/フラット化 → 最後に署名」。または「レビュー用(保護)」「署名用」を分けて運用。
FAQ
Q:非準拠ビューアでもコピー/印刷を完全に阻止できる?
A:100%は困難です。フラグはビューア依存。「印刷禁止+オーバーレイ透かし+フラット化」の併用で阻害効果と追跡性を高められます。
Q:透かしで読みにくくならない?
A:斜め・低不透明度(10–20%)のテキスト透かしを推奨。重要な表/図面では密度を下げるなど調整。
Q:保護後に開けない/エラーが出る?
A:PDF修復 を試す;あるいはクリーンなベースを再出力して「保護→透かし→フラット化」をやり直す。
Q:相手の透かし/権限制御を外せる?
A:法令/契約を遵守してください。正当権限がある場合のみ 透かし除去 や PDF解除 を利用。