入札提出、論文提出、アーカイブなどでPDF/Aが求められることがあります。フォント埋め込み、カラーマネジメント、外部依存の排除など「長期保存に強い」プロファイルです。本記事では背景/手順/対処をまとめます。
ワンクリック:PDF → PDF/A
- PDF/A変換 を開く
- PDFをアップロードし、ターゲットレベルを選択(一般的にA‑1bまたはA‑2u)
- PDF/Aをダウンロードし、提出先システムで検証
どのレベルを選ぶべき?
- A‑1b:基本かつ広く受理。視覚再現性を重視。アーカイブ/入札で一般的。
- A‑2u:A‑2に「検索/コピー可能なUnicodeテキスト」要件を追加。テキスト検索が重要なら適切。
失敗/不受理の典型要因
- フォント未埋め込み/字形不足
- 外部リソース参照(メディア/スクリプト/フォームリンク)
- 古いレベルで禁止される透明度/レイヤー(例:A‑1bは厳しめ)
- カラースペース/ICC設定の欠落/不正
実践的な解決策
- 互換性に弱い層を固める:
フラット化 で注釈/フォーム/スクリプト等を固定。 - 複雑ベクターを簡略化:
ラスタライズ 後にPDF/A化(許容できる範囲で画質をトレード)。 - ページサイズ/解像度を統一:
ページサイズ調整 で再現性安定化。 - サイズが大きすぎる:
PDF圧縮 で読みやすさと容量のバランスを取る。
電子署名とPDF/A
変換/フラット化は既存署名を無効化し得ます。通常は「最終確定 → 暗号化/透かし/フラット化 → 最後に署名」。あるいは「レビュー用(保護)」「署名用」の2系統で運用。
PDF/Aが必要な場面
- 学術論文/卒論の提出(学校/ジャーナル/会議の要件)
- 官公庁/企業入札、プロジェクト資料、契約アーカイブ
- 法務/会計文書の長期可読保存
PDF/Aのトレードオフ
PDF/Aは再現性と自足性を重視するため、インタラクティブ性を犠牲にする場合あり。提出前に所要レベル(A‑1b/A‑2u/A‑3b等)を確認。
検証のコツと提出チェック
- 先に提出先でプレチェック。フォント/透明度/外部リンクに警告が出たら、上記対処後に再変換。
- 検索可能テキストが必要なら、ソースにテキスト層があること(または OCRで検索可能化)を確認し、A‑2uを選択。
- 長期利用の可読性を優先し、極端な圧縮は避ける。